2017年10月オープン予定!


痛みが続くと認知症が近付く? -10,065人の追跡から-
JAMA internal medicine
アメリカのカリフォルニア大学の研究班が、持続する痛みと将来の認知症の確率の関係について報告したので紹介します。
■認知症の確率を追跡した研究
この研究は、アメリカでの大規模追跡研究のデータを解析したもので、62歳以上の参加者10,065人を対象としました。
参加者が「中等度または重度の痛みでしばしば困っている」と答えた場合に「持続する痛み」があると判定し、記憶力のスコアと認知症の確率を計算しました。
■持続する痛みがあると記憶力低下が速く認知症の確率増加が速い
持続する痛みがあった人では、なかった人に比べて速く記憶力は低下し認知症の確率が上がる傾向にありました。
■痛みを我慢しないで!
痛みがあっても我慢をしてしまう人が少なからずいます。
しかし、目の前の痛みの原因を有効に治療することは、認知症の確率に関わらずとても大切です。
院長よりメッセージ
この研究結果だけでは、痛みを治療すれば認知症予防になるとは断定はできません。
しかし、痛みと認知症の関係についてさらに解明されれば、痛みの治療をより重視する根拠の一つとなることでしょう。
「痛いの痛いの、飛んでゆけ~!!」
理学療法課からあなたへ
≪皆さんフレイルという言葉はご存じでしょうか?》
現在日本では支援、介助を必要とする高齢者が年々増加傾向にあります。
しかし高齢者は急に要支援・要介助状態になるのでは無く、筋力低下、活動量低下、認知機能低下、精神活動の低下等の健康障害を起こしやすい脆弱な状態(中段的段階)を経て至ることが多いそうです。
これらの状態を2014年に日本老年医学会が「フレイル」と呼ぶと提唱しました。
このフレイルの状態を早期に発見し、適切な介入をすることにより再び健康状態に戻る事が可能であるとともに、要介護状態へ陥る事を防止することが可能です。
この概念を理解し、今の自分の状態を把握することが出来れば健康寿命の延長が可能だと考えます。
診断基準としては以下に5つがあり、3つ以上該当する方は生活習慣(運動・食事・医療等)を見直す必要があると考えられています。
《診断基準は?》
①体重減少 「6か月間で2~3kg以上の体重減少」
②歩行速度低下 「1m/秒未満(測定区間定5mの時を計測する)」
③握力低下 「利き手の測定で男性26kg未満、女性18kg未満」
④疲れやすい 「(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする」
⑤身体の活動量低下 「軽い運動・体操(農作業も含む)を1週間していない」
の5つうち3つが当てはまるとフレイルと見なされます。
1~2つ当てはまるとフレイルの前段階のプレフレイルと見なされ注意が必要になります。
0場合は健常となります。是非チェックしてみてください。
参考文献 長寿科学総合研究事業 「後期高齢者の保険事業のあり方に関する研究」