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早期・初期変形性膝関節症(OA)の疼痛発症の増悪のメカニズムとは? まつクリ院長通信 No.342


【祝10周年】
まつだ整形外科クリニックは、2020年5月で10周年を迎えることができました。
これからも、レベルの高い医療の提供を目指します!
今後とも宜しくお願い申し上げます。



早期・初期変形性膝関節症(OA)の疼痛発症の増悪のメカニズムとは?

単純X線写真ではOA変化をほとんど認めなくも、痛みを訴えられる患者さんは少なくありません
ある研究結果によると、ほぼ変形を認めない分類(KL分類0 or1)でも女性で約20%,男性で約10%に膝関節痛を認めていたと報告されています。

早期・初期膝OAの症状

症状の主体は動作時の痛みです。
特に、動き始め(立ち上がり歩き始め)や階段昇降時の疼痛を訴え、平地での歩行や自転車動作では痛みは軽減することが多くみられます。また安静時や夜間の痛みの頻度は高くないのが特徴です。

疼痛発症のメカニズムは神経感作

単純X線で同じような変形を呈していても、膝に痛みを有する人とそうでない人といるのはなぜでしょうか。
その違いは「神経系の感作」だと考えられています。
神経の感作を引き起こす病態は、滑膜炎を代表とする炎症や、損傷した半月板の不安定な動きによる機械的刺激、そして軟骨、靭帯、関節包に生じる変性など多種多様です。

膝OAの疼痛は侵害受容性疼痛

膝OAの疼痛を発生させる要因は、局所の異常による侵害入力と考えられます。
そのメカニズムですが、まず軟骨の変性や摩耗が起こると遊離した軟骨片によって局所的に滑膜炎が惹起されます。
それによってIL-1,IL-6,TNF-αなどの炎症性サイトカインが侵害受容器のイオンチャンネルや受容体の興奮性を亢進させます
。その結果、関節への侵害刺激に対する閾値が低下してしまいます。
これを末梢性感作といいます。閾値が低下するため、通常では感じない程度の運動や負荷でも膝に痛みを感じてしまいます。

院長よりメッセージ

膝に痛みを有すると、ADLに支障をきたし、QOL(生活の質)が低下します。
そのため、初期・早期OAでも早い段階から膝の痛みを和らげることが大切になります♬

理学療法科よりあなたへ

歯と介護予防(理学療法科 為ヶ谷祐太)

皆さんは、普段から歯を気にしていますか?しっかり揃っていますか?

現在、日本人の平均寿命と健康寿命の差は約10年あります。つまり寿命を全うするまでの最後10年間は何らかの不健康な状態または介護が必要になっているということになります。
また、介護が必要になる要因としては、脳血管障害が一番になりますが、高齢による衰弱、それによる転倒・骨折・関節疾患は、整形外科領域の問題ですので合わせると約36%となり、整形外科疾患が一番の原因と考えることもできます。
特に高齢者に多い『骨折』についてですが、転倒による受傷がほとんどです。ある調査では、65歳以上の方では、約4人に1人が過去1年間に転倒経験しているといわれています。

そこで今回は、転倒予防と歯についてお話ししたい思います。
様々な研究で平均寿命と歯の数には、深い相関関係があると言われています。実際に国際的に日本は長寿国とされていますが、それと同様に65~74歳の歯がない人の割合も他国とは比べて日本は良好な結果となっています。

健康な歯が揃って、しっかり噛めるということで様々な効果が得られるとされています。
①病気予防:唾液が大量に出ることで口腔内の殺菌効果になり、虫歯や風邪などの予防となる。
②筋力向上:歯を食いしばることで力が入りやすくなる。
歯が19本以下で義歯を使用していない人は、歯が20本以上ある人と比較して転倒リスクが最大で2.5倍違うと報告されています。
③認知症予防:咀嚼や味覚、呼吸を通して脳を活性化させる。
歯が少なく、義歯も使用していない人は、歯を20本以上(義歯も含めて)残っている人に比べ、認知症のリスクが1.9倍違うと報告されています。
④呼吸量の増加により、言葉の発声がはっきりする。
⑤表情筋の活性化でシワやたるみを改善し、表情が豊かにする。
⑥肥満防止:よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防止します。

自宅で歯をしっかり磨き、定期的に歯科で歯垢などの口腔ケア行い、歯が抜けてしまった場合は入れ歯やインプラントなどでしっかり対応することで介護予防に繋がります。

歯も体の一部ですので、メンテナンスが必要です。