
運動はメンタルヘルスの改善にも効果あり!!
現代は、社会問題としてストレスが顕在化した「ストレス社会」です。厚生労働省の令和2年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、日々の仕事や生活に関して強い不安やストレスを感じている割合は 54.2%と半数以上を占めています。以前よりストレスを抱えやすい社会と言えます。今回は運動がメンタルヘルスに効果がある内容について紹介します。
運動のメンタルヘルスに対する効果
動がメンタルヘルスに与える主な効果をいくつか紹介します。
不安やストレス軽減:適度な運動によって身体的な緊張が解消され、ストレスホルモンの分泌が抑制されます。さらにエンドルフィンやセロトニンといった脳内物質が放出され、リラックスや気分の改善につながると考えられています。
抑うつ症状の改善:脳内のセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質のバランスが改善され、気分の安定や抑うつ感の緩和に寄与すると考えられています。
自己肯定感の向上:運動を通じて自分の身体を鍛えたり能力を向上させたりすることで、自己肯定感や自信が高まることがあります。私自身も達成感などを感じることが多くあります。
睡眠の改善:運動によって身体的な疲労が生じ、より良い睡眠を誘導することができます。また、運動は日中の活動量を増やすため、夜の眠りの準備を促す役割も果たします。
★院長よりメッセージ
お勧めはウォーキングです。30分程度でもいいでしょう。外の空気を吸い、季節の移り変わりを肌で感じてみましょう。またヨガやストレッチもお勧めです。心身の緊張がほぐれます。また軽い筋トレもいいですね。基礎代謝が上がりますし、ストレス耐性もつきます。運動は一番の薬です♪
院⻑通信
≪皆さんフレイルという言葉はご存じでしょうか?》
現在、日本では支援、介助を必要とする高齢者が年々増加傾向にあります。高齢者は急に要支援・要介助状態になるのでは無く、筋力低下、活動量低下、認知機能低下、精神活動の低下等の健康障害を起こしやすい脆弱な状態(中段的段階)を経て至ることが多いいです。これらの状態を2014年に日本老年医学会が「フレイル」と呼ぶと提唱しました。このフレイルの状態を早期に発見し、適切な対処をすることにより再び健康状態に戻る事が可能であるとともに、要介護状態へ陥る事を防止することが可能です。この概念を理解し、今の自分の状態を把握することが出来れば健康寿命の延伸が可能だと考えます。診断基準としては以下に5つがあり、3つ以上該当する方は早期に生活習慣(食事・運動・医療等)を見直す必要があると考えられています。

《診断基準は?》改訂板日本フレイル基準(J-CHS 基準)
① 体重減少 「6か月間で2~3kg以上の体重減少」
② 歩行速度低下 「1.0m/秒未満(測定区間定5mの時を計測する)」
③ 握力低下 「利き手の測定で男性28kg未満、女性18kg未満」
④ 疲れやすい 「(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする」
⑤ 身体の活動量低下 「軽い運動・体操(農作業も含む)を1週間していない」
5つうち3つが当てはまるとフレイルと見なされます。1~2つ当てはまるとフレイルの前
段階のプレフレイルと見なされ注意が必要になります。当てはまらない場合は健常となります。
参考文献 長寿科学総合研究事業 「後期高齢者の保険事業のあり方に関する研究」