
健康寿命の延伸にはひざ疾患(変形性膝関節症)の予防が⽋かせない︕
⽇本は世界に誇る⻑寿国であり、男⼥平均で約84 歳で世界1 位、特に⼥性の平均寿命は87 歳を超え、実に2 ⼈に1 ⼈が90 歳以上まで⽣きる時代になっています。⼀⽅で健康寿命は約74 歳でその差は約10年。この10 年を短縮して健康寿命を延伸することがとても重要です。
要⽀援・要介護の原因 運動器疾患が最も多い︕
要⽀援・要介護の⼈数は、令和6 年(2024 年)11 ⽉時点の暫定値において約723.3 万⼈とされ、65 歳以上の約20%に達します。そしてその原因は⾻折・転倒と変形性膝関節症に代表される関節疾患で約24%を占め、認知症(16.6%)、脳⾎管障害(16.1%)を上回り、第1 位となります。つまり、運動器疾患、特に関節(変形性膝関節症)疾患を予防することがとても⼤切です。
痛みを⾃覚した時には変形性膝関節症は進⾏しているかも︖︕
変形性膝関節症は軟⾻が摩耗してすり減り、⾻の変形を引き起こす疾患ですが、その軟⾻には実は神経がありません。つまり軟⾻が摩耗しただけでは痛みを感じないのです。そのため、痛みを⾃覚した時には、すでに軟⾻の下の層にまで損傷が及んでいるケースもあるので注意が必要です。
早期発⾒、早期治療、そして予防が⼤切
ひざに何となく違和感がある、ポキポキ⾳がなる、運動するとしばらく痛みが出る(休むとすぐに治るけど)など、⽇常⽣活にはさほど⽀障はないけど、スッキリしない。このような症状は変形性膝関節症のサインです。この段階からしっかり予防することが必要です。
院⻑よりメッセージ
普段は無症状だけど、運動したり少し無理すると違和感や痛みを⾃覚する場合は、ひざドックなどでMRI をお勧めします。ひざの状態を早期に知って、進⾏を予防していきましょう。
放射線マークについて
・皆さんはこのマークについてご存知でしょうか?
病院などで⼀度はこのマークを⾒たことがある⽅もいらっしゃるのではないかと思います。
・このマークは、ハザードシンボルの⼀種である放射線マークと⾔います。
ハザードシンボルと聞くと映画「バイオハザード」が頭に浮かんだ⽅も多いかと思います。ハザードシンボルは危険物または危険な場所に対して注意を促すために⽣まれたマークです。
・放射線マークの基本的なデザインは⻩⾊の背景に⿊の絵で、中⼼から三つの葉が⾶び出すデザインとなっています。
この三つの葉はそれぞれα線、β線、y 線を表しており、中⼼となる原⼦核からそれぞれの放射線が⾶び出している様⼦を簡単に表しています。
・ハザードシンボル以外にもいろいろなマークがあるので、⽇常⽣活の中で⾒かけたらどういう意味があるのか、何でこのデザインなのか、調べてみるのもいいですね。
放射線科 ⼭野