人工関節置換術の効果

当初、人工関節置換術は「関節の痛みをとる」ことを目的に行われてきました。近年の手術技術の向上や製品の改良などにより、痛みを取ることだけではなく、よりより生活の質を獲得することも併せて可能になってきました。

手術を受ける患者さんの状態によっても多少の差はありますが、現在では、人工関節の手術を行うことによって次のような効果が得られると考えられます。

■関節の痛みを取り除く、もしくは大きく痛みを和らげること

■関節の変形を矯正し、痛みを取り除く事で、本来の関節の動きを取り戻す環境を作れること。

■関節の痛みのために制限されていた日常生活での活動性をアップさせ、生活の質を高めること。

■関節の痛みのために、他の関節に与えていた影響を少なくして、他の関節への障害を減少させること。

■手術後のリハビリにより、関節の動かせる範囲(可動域)が向上したり、筋力がアップする事によって、活動性が高まり全身状態にも良い影響を与えることが可能。

また、上記以外にも関節の痛みがとれるために、運動などが可能になり、骨密度が上昇したり、糖尿病における血糖値が下がるなどの論文が発表されたり、研究も行われています。

つまり、人工関節置換術によって「関節の痛みをとる」という時代から「生活の質を高める」、そしてさらには骨粗鬆症(こつ そしょう しょう)や糖尿病などの改善など「臨床的な付加価値」も期待されています。

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