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再生医療の種類

予防や回復を目指す新しい治療法!

『再生医療』は、回復が難しいとされているひざの症状悪化を食い止め、機能回復(悪化前の状態に近づけること)を目標に研究や治療が進んでいます。
また、予防として取り入れることで「ひざ寿命」の延伸につながると考えています。

それぞれのひざ再生医療の特徴

『再生医療』は患者様ご自身の血液や幹細胞などを、厚生労働省認可の細胞加工センターで人工的に加工、培養し、ひざ関節内に注射することで、病気やケガの治癒を目指す治療法です。

変形性ひざ関節症の治療でも高い効果が期待されています。

当院では患者様一人ひとりに合った治療をお選びいただけるように、3種類の再生医療をご用意しています。

「FD療法の施術動画」はこちらでご覧いただけます。

再生医療1「脂肪幹細胞」

ASC療法(幹細胞の培養委託先:
セルソース株式会社)

【松田院長のコメント】

患者様ご自身の脂肪から幹細胞を抽出、それを培養してひざ関節に注射する治療法です。

脂肪幹細胞は、炎症を抑える作用と組織を修復する作用があることが分かっています。

また、軟骨の厚みが増したという症例も確認されており、軟骨の再生機能についても研究が進められています。

  • 1 .腹部からご自身の脂肪細胞を採取(1時間程度)
  • 2 .そこから脂肪幹細胞を抽出
  • 3 .脂肪幹細胞を200~300倍に培養 (培養と検査に6週間程度)
  • 4.ひざに注入 (5~10分程度)

再生医療2「血液由来」

FD療法(PFC-FD の加工委託先:
セルソース株式会社)

患者様から約50mlの採血を行い、清浄度の高い再生医療センターにて特殊な技術でより多くの「成長因子」を抽出し無細胞化したうえで、フリーズドライ加工されて当院に届きます(注射2本分)。

これを関節内に注射することで痛みを和らげ、損傷部位の機能改善をめざします。

当院では治療効果を考慮し、1度の治療で1 関節内にFD注射2本分を注射しています。

FD注射は加工が必要なため、採血から 注射までには約3週間程度かかります。

【松田院長のコメント】

【松田院長のコメント】

患者様から約50mlの採血を行い、清浄度の高い再生医療センターにて特殊な技術でより多くの「成長因子」を抽出し無細胞化したうえで、フリーズドライ加工されて当院に届きます(注射2本分)。

これを関節内に注射することで痛みを和らげ、損傷部位の機能改善をめざします。

当院では治療効果を考慮し、1度の治療で1 関節内にFD注射2本分を注射しています。

FD注射は加工が必要なため、採血から 注射までには約3週間程度かかります。

▼FD療法についての詳細動画は、こちらを
ご覧ください。

成長因子とは?

特定の細胞の成長や増殖を促進するタンパク質の総称で、 傷を治す・新陳代謝を促進する・自律神経のバランスを整える・ 抗ウイルス作用など健康に関するさまざま役割を担っています。

FD療法を受けた患者さんのインタビュー記事はこちら>>

再生医療3 「血液由来」

APS治療

FD療法と同じく患者様から約55mlの採血を行い、当院にあるAPS加工専用機器にて炎症を抑える良いタンパク質と成長因子を 高濃度抽出し、これを関節内に注射します。

APSは関節内の炎症物質と抗炎症物質の 不均衡を整える作用があり、痛みを和らげ 軟骨の変性や破壊を抑えます。

APSは当院で採血、加工、注射を行うため、採血後約1時間で治療が終了します。

【松田院長のコメント】

【松田院長のコメント】

FD療法と同じく患者様から約55mlの採血を行い、当院にあるAPS加工専用機器にて炎症を抑える良いタンパク質と成長因子を 高濃度抽出し、これを関節内に注射します。

APSは関節内の炎症物質と抗炎症物質の 不均衡を整える作用があり、痛みを和らげ 軟骨の変性や破壊を抑えます。

APSは当院で採血、加工、注射を行うため、採血後約1時間で治療が終了します。

再生医療のメリット・デメリット

ここでは自己血液を利用する再生医療であるPFC-FD注射とAPS注射を例にとってメリット・デメリットについて説明します。

メリット

1)安全性が高い

PFC-FDもAPSも製造方法が異なりますが、共通している点は「ご自身の血液」をもとに作られることにあります。

つまり、自分の体の一部である血液から製造して、それを体に注入する方法です。新たな加工物を利用したり、他人の組織を利用するような治療や薬などの治療と比較すると、拒否反応やアレルギー、感染症のリスクなど、副作用が少なく安全性が高い治療と言えるでしょう。

なお、注射後に腫脹や疼痛を生じるケースもあります。

これはPFC-FDとAPSではその頻度に差があることが当院の結果でわかってきました。ただ、ほとんどのケースで早期に日常生活には復帰できるため心配はいりません。

これについてはそれぞれの特徴の項目で説明していますので参照ください。

2)入院は不要であり、注射が簡便

PFC-FD療法もAPS療法もその多くは関節内注射を行います。

症状によっては関節外(靭帯や、筋肉、腱など)にも行います。

いずれも医療機関でよく行われるヒアルロン酸注射と同様の手技で行うため、煩雑さはなく簡便と言えます。

当然、手術や入院といった負担はなく、通常の生活は送っていただき問題ありません。

注射を受けた日に歩いて帰ることも可能です。

なお、PFC-FD注射は採血と約3週後の注射で最低2回、APSは採血した当日に精製可能であるため、約1時間後には注射が可能のなり1度の通院でも可能となります。

ただし、PFC-FD療法もAPS療法も理学療法士による治療や運動療法を取り入れることで効果を最大化できるため、注射後に運動療法の指導を受けるための通院が推奨されています。

デメリット

1)治療費が保険適用とならず自己負担

PFC-FD療法もAPS療法ともに保険診療の適用とはならず「自由診療」となります。

病気やケガをして保健診療を受けた場合、支払う費用は決められている割合(0~3割)で済みますが、自由診療では全額自己負担となります。

また、自由診療の場合、治療費用は医療機関により異なりますので、治療を治療を提供している医療機関に直接問い合わせて確認することをお勧めします。

なお、当院に再生医療治療費用は全国的にみてもかなり低く設定しております。

2)治療効果に個人差がある。

PFC-FD療法もAPS療法、そしてASC療法(脂肪由来の幹細胞治療)も全て自分の血液、細胞を使用する治療方法です。

そのため安全性は高い一方、治療を受ける個人の血液や細胞の状態、また個々の膝などの関節、靭帯、腱などの損傷程度、生活スタイルなどは異なるため、その効果にも個人差が出てきます。

当院では、膝関節については多くの実績を積み上げており、また学会や講演などで治療成績を公開してきました。

その結果、徐々にではありますが、どのようなケースにどの程度効果が期待できるかがわかってきています。

患者さんの状態をしっかり見極めて、相談しながら治療方法を決定しています。

3)注射後の腫脹や疼痛

自分の血液や細胞を利用する治療方法であるため、安全性は高く拒否反応やアレルギーなどの重篤な有害事象は報告されていません。

ただし、注射後の腫脹や疼痛は一定程度で生じることが分かっています。

当院における現在までの治療結果においては、PFC-FD治療で約1%、APS治療では約60%で症状がでます。

ただし、APS治療後の症状も当日、もしくは注射後1~2日でほぼ消失し、日常生活には支障は残りませんのでご安心ください。

血液由来(FD療法・APS治療)とASC療法の違い

PRPは多血小板血漿(platelet-rich plasma)のことで、血漿中に含まれる血漿タンパクと血小板や白血球から放出される成長因子など多種多様な生理活性物質を含んでいます。

この生理活性物質により発揮される「組織修復」や「抗炎症」作用に期待して、患部に注射をする方法をPRP療法といいます。

一方、 ASCは脂肪由来幹細胞(adipose-derived mesenchymal stem cell)で皮下脂肪組織から採取した幹細胞です。

脂肪由来幹細胞(ASC)には、「自己複製能」といって自分自身のコピーをつくる作用と、骨や軟骨、心筋細胞、血管新生に関わる細胞などになる「多分化能」があるとされています。

さらにASCが分泌する細胞伝達因子のエクソソーム(exosomes: EX)や微小小胞体(microvesicles: MV)が近傍の細胞に影響を与え、抗炎症作用や組織修復作用をもたらすパラクライン効果が知られており、キズを治したり、免疫を調整したりすることに役立つと考えられています。

このASCを患部に注射する方法をASC療法といいます。

幹細胞の治療と特徴

ASC治療に期待される効果

1)抗炎症作用

ASCの属する間葉系幹細胞には、抗炎症作用があると報告されています。

そのため、患部の疼痛や腫脹を抑える効果があります。

これは、ASCが分泌する細胞伝達因子のエクソソーム(exosomes: EX)や微小小胞体(microvesicles: MV)など様々な因子が近傍の細胞に影響を与えるパラクライン効果によって、炎症の原因となっている過剰な免疫反応を制御するとされています。

さらにこのパラクライン効果は組織修復作用もあるとされています。

2)②組織の修復促進

ASCは骨・軟骨・脂肪組織や血管などへの分化能力があることが報告されています。

特にASCが分泌する様々な因子が周囲に存在する既存の細胞を活性化して、患部の組織を修復することが分かってきています。

つまり、ASC治療は関節において失われた組織の回復を起こし得る可能性を持った、ポテンシャルの高い治療法と言えるでしょう。

ただし、ASCの注射を行えば必ず炎症が沈静化し、組織が修復するわけでありません。

ある程度、炎症が収まり痛みが軽減した際にリハビリ加療などを併用することが重要です。

ASC治療で膝の状態、環境を改善してリハビリなどの次のステップを行うことが可能になることで組織修復など更なる治療効果が期待できると考えられます。

ASC治療のメリット

1)安全性が高い

PFC-FD治療やAPS治療同様に、患者自身の細胞を使うため、アレルギーや拒絶反応などのリスクが低いことが特徴です。

2)施術が簡便

お腹の皮下脂肪から採取した細胞を使います。

ほとんどの方で採取可能ですが、とても痩せていたり、腹部の手術既往があり癒着していたりして採取が困難なケースは、臀部や大腿部から採取可能です。

局所麻酔で行い、入院の必要はありません。

ASCの投与はヒアルロン酸注射と同様に関節内注射であり、身体への負担が少なくて済みます。

なお、ASCには上記のメリットに加え、脂肪組織内に存在する幹細胞の存在率が高いこと、細胞増殖率が高いこと、さらに年齢による影響を受けないことなども挙げられます。

ASC治療のデメリット

1)自由診療となるため、費用は自己負担

PFC-FD治療、APS治療同様に自由診療になります。

そのため費用は全額自己負担になります。

費用は各医療機関によって変わり、ほとんどの医療機関で100万円を超えることが多い治療です。

正確な費用については各医療機関に直接ご確認ください。

なお、当院では全国的にも100万を下回る費用で提供しています。

2)効果には個人差がある

まだ新しい治療であり、その作用機序や治療効果についての明確なエビデンス(科学的根拠)は不足しているのが現状です。

個人差もあり、期待していた効果が出ない可能性もあります。

また、期待される治療効果などは、関節の状態、患者さんの筋力やライフスタイルなど多くの因子による影響によって変わります。

患部の状態をしっかり評価して診察もらいどの程度の治療効果が期待できるかなど経験豊富な医師と相談のうえ、十分に理解、納得されたうえで治療を受けることをお勧めします。

3) 有害事象の可能性

ご自身の脂肪を利用した治療法のため、拒否反応やアレルギーリスクは非常に少ないと考えられ、深刻な有害事象は報告されていません。

ただし、注射後に痛みや炎症症状(軽い熱感、発赤や腫脹)を数日間生じることがあります。

なお、脂肪採取部に関しては採取部の一時的な痛み、皮下出血、一時的に硬くなるなどの可能性があります。

また、稀ですが細胞培養にウシ血清を使用しており、それに対する異物反応(アレルギー反応等)が起こる可能性があります。

採取部位の感染リスクもありますが、とても稀であり抗生剤の内服をしていただくことで回避できると考えられます。

しかしながら、新しい治療で臨床データがまだ少ないため、今後新たなリスクが発見される可能性がないわけではありません。