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• 免疫の関係

関節リウマチは免疫反応の病気から起こる事がわかってきました。免疫とは、白血球の一つであるリンパ球が身体にとって安全ではないものを識別して、排除する防御システムです。なお赤血球は酸素を肺から組織に運び、血小板は血液の凝固に関与します。
▼ 自己と非自己
人間の身体には時に外部からウイルス、細菌、寄生虫などが侵入してきます。また体内でも、ガンなどによる有害な細胞や物質が生成されます。白血球は、これらを自分の身体の細胞や成分とは違う異物を非自己として攻撃します。このように自己と非自己として区別することが免疫の基本です。
▼ 自然免疫系と獲得免疫系
免疫システムは大別すると、自然免疫系と獲得免疫系の二つがあり、両者が互いに補完しあいます。
　自然免疫系
　　病気に感染した初期などには白血球のうちの顆粒球や単球、またリンパ球のNK細胞などがこれらの異物を探知し、捕食します。侵入した相手は選ばず、等しく攻撃、排除するシステムを自然免疫系といいます。このとき、単球はマクロファージ（細胞や異物を捕食するアメーバ状の細胞で、貪食細胞ともいわれる）に変身します。
　獲得免疫系
　自然免疫系の働きで病気が治らないときは、もう一つの獲得免疫系が始動します。T細胞（Tリンパ球）の一種であるヘルパーT細胞がマクロファージと共同して、サイトカインという情報伝達物質を出し、仲間のキラーT細胞に指令を出し、侵入者を破壊させます。この時、侵入した細菌などの細胞を「抗原」といいます。
　同時に、T細胞（Tリンパ球）をB細胞（Bリンパ球）にサイトカインを介して抗原に関する情報を伝達します。B細胞はそれに基づいて「抗体」を産生します。抗体は免疫グロブリン（Ig）という糖たんぱく質で出来ていて、抗原細胞の表面の構造に結合して、その性質を変え活動を封じ込めます。さらにこの抗体と抗原の結合体を、キラーT細胞やマクロファージが破壊し、病気は快方に向かいます。
　このとき、一種類のB細胞は、一種類の抗体しか産生できません。また出来た抗体は、一種類の抗原のみに反応します。もし異なった抗原が侵入してきたときには、新たに別の抗体を産生します。このように、一抗原に特異的に反応するのが、獲得免疫系の特徴です。病気が治ってある抗原が死滅しても、その記憶を持ったB細胞の一部は生き残ります。そして、その抗原が再度侵入してくると、迅速に大量の抗体を産生してこれを死滅させます。抗原の記憶は、獲得免疫系のもう一つの特徴です。