メトトレキセートと生物学的製剤の併用
生物学的製剤が普及してまだ数年ですが、その目覚しい効果が次第に明らかになってきています。現在では従来の治療法と一線を画し、2008年に改訂されたアメリカリウマチ学会のガイドラインでは、メトトレキセートを中心とした抗リウマチ薬と生物学的製剤をなるべく早い時期から併用するのが治療の主流になっています。 …… 続きを読む
高額な薬
生物学製剤は開発や技術、生産に莫大な費用がかかっているため、保険適応とはいえ、値段が高いという問題点があります。3割負担での自己負担はだいたい年間36〜70万円ほどかかります。症状や体重によって薬の使用量が異なりますが、診察料は検査料、ほかの薬代などを含めて患者さんにとっては、大変な負担となります。…… 続きを読む
トシリズマブ(商品名アクテムラ)
2008年4月に保険適用になりました。IL-6受容体の働きを阻害し、発熱や炎症、貧血を抑えます。これもヒト化抗体のもので、大阪大学を中心に開発された日本独自のものです。トシリズマブは24週後に80%の患者さんに効果があり、30%の患者さんを寛解へ導く事を可能にしました。 また、関節破壊の抑制する効果…… 続きを読む
アダリムマブ(商品名ヒュミラ)
2008年6月に保険適用になりました。エタネルセプトと同じように、完全ヒト型由来の抗体で、TNF-αと受容体の反応を妨害し炎症を抑えます。 海外の成績では、インフリキシマブと同様な寛解率、関節破壊の抑制効果、およびエタネルセプトと同様の5年間の長期有効性が示されました。メトトレキセートとの併用によって、極めて高い治療効果が得られました。 続きを読む
エタネルセプト(商品名エンブレル)
2005年3月に保険適用になりました。これは完全ヒト型由来のものを使っています。こちらもTNF-αと結合しておとり受容体として働き、作用を抑えます。 1回10-25ミリグラムを週2回日か注射します。55%の人が自分で皮下注射しています。 既存の抗リウマチ薬が効かない患者さんに対して、半年後に約25…… 続きを読む
インフリキシマブ(商品名レミケード)
2003年7月に関節リウマチに対して保険適用になった生物学的製剤です。マウスの抗ヒトTNF-α抗体とヒトIgGを遺伝子工学によって融合させ、キメラ抗体(異種動物の抗体遺伝子を組み合わせた人工的な抗体)をつくりTNF-αと受容体の反応を中和し、炎症を抑えます。 体重1キログラム当たり3ミリグラムを…… 続きを読む
生物学的製剤の種類と効果
1. 抗体製剤 サイトカインの一部を抗原として認識し、これに特異的に結合してその作用を阻害します。 2. レセプターアンタゴニスト(受容体拮抗体)製剤 細胞膜にあるサイトカインの受容体のダミーです。サイトカインは本来の受容体でなく、このダミーと強く結合するため、関節破壊が止まります。 続きを読む
生物学的製剤
人間や哺乳生物が産生するタンパク質を利用して、病気の原因にかかわるサイトカインなどのタンパク質を無害化するように調整したバイオ医薬品です。 一般の薬は化学合成により工業生産されます。これらの多くは、服用すると肝臓や腎臓で代謝され、その負担から各種の副作用が起こります。一方、生物学的製薬はバイオテクノ…… 続きを読む
効果の違い(レスポンダーとノンレスポンダー)
抗リウマチ薬は同じ薬を使用していても、人によって効果がある人とない人がでてきます。これをレスポンダーとノンレスポンダーといいます。抗リウマチ薬は効果が出てくるまで1〜3か月かかり、即効性のあるものではありません。 また今まで効いていたのに、あるときから突然効かなくなること(エスケープ現象)もあります…… 続きを読む
抗リウマチ薬の副作用
抗リウマチ薬で起こりやすい副作用は人によって違いますが、皮膚のかゆみ、下痢、肝障害、腎機能障害、間質性肺炎、血液障害、高血圧、感染症、糖尿病、胃腸障害などがあります。メトトレキサートでは間質性肺炎、感染症、腎障害、血液障害などがその主なものです。したがって、咳や息切れ、息苦しさ、口内炎、身体のむくみ…… 続きを読む